セルフ・サービング・バイアス

セルフ・サービング・バイアス(Self-Serving Bias)は、個人が自身の成功や良い結果を内因的要因(自己の能力や努力)に帰属させ、逆に失敗や悪い結果を外因的要因(環境や他人の影響)に帰属させる傾向を指します。つまり、自分自身の良い点や成功については自己を評価し、悪い点や失敗については他者や状況を責める傾向があるということです。

セルフ・サービング・バイアスは、自己評価の維持や自尊心の保持を目的として起こります。成功や良い結果を自己の能力や努力に帰因することで、自分自身を優れた存在と捉えることができます。逆に、失敗や悪い結果を外因的要因に帰因することで、自己の責任や努力の不足を回避することができます。

このバイアスは、個人の認知の歪みや自己防衛のメカニズムとして機能しています。しかし、セルフ・サービング・バイアスが過度に現れると、自己の貢献を過大評価し、他者を過小評価することにつながる可能性があります。また、自己の能力や努力に対する客観的な評価を妨げることもあります。

セルフ・サービング・バイアスに対処するためには、客観的な視点や他者の意見を受け入れることが重要です。自己評価を客観的なデータや実績に基づいて行い、自己の強みや課題を客観的に把握することが必要です。また、他者の貢献や状況の影響を適切に評価し、自己と他者を公平に扱うことも重要です。