ウェーバーの法則

ウェーバーの法則(Weber's Law)は、心理物理学の法則の1つであり、刺激の強度とその知覚の関係を示す法則です。この法則は、19世紀にドイツの心理物理学者エルンスト・ウェーバー(Ernst Weber)によって提案されました。

ウェーバーの法則によれば、刺激の強度を知覚的に感じるためには、刺激の強度の変化量に対する相対的な変化の割合が一定である必要があります。具体的には、強度の低い刺激の場合、刺激の変化量が大きくなければ知覚上の差異を感じることはできません。一方、強度の高い刺激の場合、刺激の変化量が小さくても知覚上の差異を感じることができます。

ウェーバーの法則は、様々な知覚領域で観察されます。例えば、音の音量や重さの感じ方、明るさの感じ方などがウェーバーの法則に従っているとされています。法則の具体的な数式は、刺激の強度の差(ΔI)を元の刺激の強度(I)で割った値が一定(ΔI/I = k)となるような関係式として表されます。

ウェーバーの法則は、刺激の知覚的な変化における感度の相対性を示すものであり、知覚心理学や心理物理学の基本的な原理の1つとして広く応用されています。また、この法則は、人々が刺激の強度を主観的に評価する際にどのような基準を持っているかを理解する上で重要な役割を果たしています。