フォン・レストルス効果

フォン・レストルス効果(Von Restorff effect)は、記憶や認知の領域で用いられる心理学の用語です。この効果は、一連の刺激の中で目立つ、異なる要素や突出した要素が、記憶や注意の対象として特別な扱いを受けるという現象を指します。

具体的には、フォン・レストルス効果では、一連の刺激やアイテムの中で、他の要素とは異なる特徴や特色を持つ要素が存在する場合、その要素はより優先的に注意を引き、記憶される傾向があります。例えば、同じ形や色の中に一つだけ異なる形や色がある場合、その異なる要素が目立ち、記憶されやすくなります。

フォン・レストルス効果は、注意の誘導や記憶の強化に関連しています。異なる要素や突出した要素は、視覚的な刺激や情報処理の中で注意を引きやすくし、記憶の形成や復元の際に特別な役割を果たします。この効果は、広告やデザイン、教育などの領域で利用されることがあります。特定の要素を強調することで、情報の記憶や伝達の効果を高めることができます。

フォン・レストルス効果は、ドイツの心理学者ヘルマン・エーリヒ・フォン・レストルス(Hedwig von Restorff)によって1933年に初めて報告されました。彼の研究によってこの効果が明らかにされ、その後の認知心理学や広告心理学の研究で注目されるようになりました。